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浜松湖西豊橋道路(愛知県区間)の都市計画の基本方針(案)に関する意見書(1)

浜松湖西豊橋道路に関する意見書

地域住民の意向を聴取することなく決定された、二川地区通過ルートの計画に反対します。

道路建設によって、住環境の変更を余儀なくされるのは、地域住民です。転居を強いられることもあるでしょう。日照や震動、排気ガス、夜間の騒音などの影響のために、日常生活や子育てに支障をきたすことも出てきます。親しんでいる里山の自然との触れ合いが阻害されることもあります。

国で検討されていた3ルートのなかで、学校、幼稚園、保育園、病院、福祉施設などを道路建設予定の1キロ帯に最も多く含んでいるのは、二川地区通過ルートです。このことは、国の資料を見ても明らかです。

二川地区通過ルートが選択されたのは、基本方針案資料にも図示されている通り、豊橋港と三ケ日JCTをほぼ一直線、短距離で結べるからです。あとの条件は、他の2ルートと大差ありません。

物流の「速達性、定時性」などの効率を優先させて、地域住民の生活や環境を二の次に置く計画が、住民の豊かな生活、自然との共生を求める社会を目指す都市計画として、責任あるものといえるでしょうか。

二川地区通過ルートを国が決め、県で受け入れたので、おまえたち地域住民は従え、という上意下達のやり方では、納得できるわけがありません。

住民の意見を聞いていないというが、アンケート調査を2回実施している、と8月4日の説明会で回答がありました。アンケート調査の回収は、3割に満たないのではないのですか。私は2回ともアンケートに応じました。そこで意見も出しました。が、集計数値ばかりを並べ、物流に都合よい結果にまとめているように見受けられました。しかも、3ルートから選ぶなら、どのルートがふさわしいか、という類の質問はありませんでした。

二川地区の事情を知らない専門家の先生たちが、準備された資料を「検討」して、二川地区通過ルートを決めました。このあと、二川地区通過ルートを前提に道路建設計画が進められていきます。ネットで意見を出せる期間があったようですが、住民にはほとんど知らされていません。

豊橋市に対して、この計画に関しての説明会を開くように、何回か陳情してくださった方々がいますが、まだ計画が具体的でない、などの理由で実現しませんでした。

8月4日の説明会が、この計画に関しての初めての説明会でした。しかし、二川地区通過ルートを前提として、計画を進めるスケジュールに位置付けられた説明会です。それなので、住民の質問や意見に対しては、生活環境への影響にせよ、自然環境への影響にせよ、景観への影響にせよ、「できる限り配慮します」という類の回答しかないのです。

子どもも大人も親しみ続けてきた里山の自然は、いったん壊されたり環境条件が変更されたりしたら、もう元に戻すことはできないのです。

豊橋市東部と湖西をまたぐ弓張山地と周辺の文化や歴史は、何百年もの長い年月に育まれてきたものです。これらを行政が住民から一方的に奪ったり、「配慮」して破壊したりすることが、どうして許されるでしょう。

私は、この計画を3ルート案の検討段階に引き戻すことを希望します。

大村知事様、里山などの自然や文化、歴史をこれからの地域を担う子どもたちや若者に引き継ぎたい、残したいという住民の願い、思いを受け止めてください。

よろしくお願いします。

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