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浜松湖西豊橋道路について住民説明会を開催し住民の意見を県や国に伝えていただくことを要望する陳情

令和7年3月24日に「浜松湖西豊橋道路について住民説明会を開催し住民の意見を県や国に伝えていただくことを要望する陳情」を行ってきました。

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浜松湖西豊橋道路について住民説明会を開催し住民の意見を県や国に伝えていただくことを要望する陳情

 令和6年夏に募集された本事業方法書の意見書概要が愛知県のサイトで閲覧できるようになっていますが、お読みいただけたでしょうか。そこには、土砂流出防備保安林や風致地区、人口集中地区などを計画地に含む西側ルートすなわち二川ルートについて、自然環境や住環境への影響が最も大きく、広域道路ネットワーク形成への寄与は限定的で、速達性の優位差はわずかなことなどからルート選定の妥当性について疑義を呈する意見が多数上がっています。

 特に、環境の専門家と思われる団体からは、「計画地のほとんどが、梅田川沿いの軟弱地盤となっている。このような地域に高規格道路は建設すべきではない」「軟弱地盤の基礎杭は深く打たねばならず、工事被害・地盤沈下などを引き起こすことは明らか」といった意見や、廃棄物が地下にあることから掘削等により生活環境への支障が生ずるおそれがある区域がルート上に12箇所もあることに触れ、「こんな危険な場所は当初から事業実施区域から除外すべき」といった意見が示されるなど、時に厳しく問いただしています。しかし令和7年3月24日現在、住民らの意見に対し事業者がどのように受け止め検討したかについての回答は示されていません。住民らの意見を顧みることなく計画を進め、懸念された被害が実際起こった時に、誰がどのように責任を取るのでしょうか。

 一方で、早期実現を要望する意見では、ルートにはこだわらないものがほとんどです。中には「高規格道路が2本あったほうが良いから二川ルートに賛成」という意見も聞きました。しかし建設コストやメンテナンスコストが莫大となるためか高規格道路の冗長性は比較項目に入っておらず、ルート決定の妥当性からは遠い理由といえます。そして国道23号拡幅ルートを「新設区間延長を抑制する」と紹介しており、冗長性をむしろマイナスと捉えています。

 二川ルートは愛知県立自然公園にかかりますが、愛知県立自然公園条例施工規則第13条には、申請にかかる場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる建築物の新築の場合に建築の許可が下りるとあります。しかし、かつて国の補助を受け愛知県・静岡県・浜松市が2012年までに5年間かけて調査を実施し、「国道23号バイパスの県境付近に接続するルート案が最適である」と愛知県道路建設課が報告しています。二川ルート以外にも目的を達成するルートがあるにもかかわらず、複数ルート案の公表からわずか1年余りで県立自然公園にかかる二川ルートに対応方針を決定した経緯は不透明で行政の説明は不足しています。

 環境影響評価方法書についての愛知県知事意見には、「当該事業に関する説明の機会を増やすなど、住民の理解が深められるよう丁寧な説明に努めること」とあり、また準備書の作成に当たっても、住民等の意見を十分に検討するよう示されています。

 浜松市長は昨年11月に、「今後の事業計画の検討にあたって、環境影響を回避または十分に低減できない場合は、道路のルートの見直しを検討すること」という意見を表明しました。故郷の自然を愛し、景観に磨きをかけて次世代に手渡す責任があることを自覚すれば、自ずと出される意見です。環境影響評価の段階で道路計画のルートが見直し変更された事例は全国でいくつもありますので、市長および市議各位にはここで一旦立ち止まって熟考していただきたく思います。

 以上のことから、地域住民の要望に応じて行政による住民説明会を開催し西側ルートでの建設が最適であることを住民に納得させられないかぎり、住民意見を県や国に伝えていただくことと、本道路計画について、市民に対して広報とよはしなどの紙面を使って広く周知していただくことを要望します。

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