標題の件について意見書を提出します。
私は二川ルートに産業道路を作る案には反対です。その理由は6つあります。
1つ目は二川ルートにはなくしてはならない重要な地域や施設が多く含まれていることです。二川ルートには里山や岩屋緑地などの二川の景観を守るような地域や寺院などの文化的な遺産が多く含まれています。また、病院などの地域住民が密に利用する施設も含まれています。このような多くの施設を道路建設によってなくしてしまえば、これから増えるかもしれない観光客も移住者も望めなくなるのではないでしょうか。8/4の説明会で道路を作ることによって観光客が増えることになるとおっしゃっていましたが、道路を作る過程でその大事な施設をなくしてしまうことは本末転倒ではないでしょうか。
2つ目は二川ルートに道路を建設することにおける大気汚染などの影響が大きいということです。二川ルートにはすぐ近くに山があるため、汚染された空気が滞留しやすくなっています。このルートには小学校や幼稚園、病院など大気汚染などで健康被害を起こしやすい方が多くいるため、道路を建設する場所に向いているとは考えられません。
また、二川ルートの里山を切り崩すことで自然を壊すことになります。実際に、昭和47年9月の議会では自然歩道を守りたいという住民の意見の下、弓張山系自動車道路建設構想は見送りを表明されています。今回の道路も自然を守りたいという住民の意見を無視しているのではないでしょうか。
3つ目は災害時においてデメリットが存在することです。8/4の説明会では「高速道路から被災地、三河港から被災地への新たなルート確保により救援等活動及び支援物資輸送の確実性が向上する」とおっしゃっていましたが、地震などの災害で道路が無事である保証はあるのでしょうか。物資を届ける道路が壊れてしまっては全く意味がありません。道路が壊れることで道路の下付近に暮らす住民の危険性が上がるのではないでしょうか。また、道路を建設するために山を切り崩すのなら土砂崩れの危険性も上がると思われます。道路を作る過程で災害の危険性を上げてしまっては元も子もありません。
4つ目は二川ルートが他ルートに比べ1番費用が掛かるということです。23号ルートは300~400億も二川ルートよりも削減できるそうです。これまで述べただけでも住民からしたらデメリットばかりです。住民の血税を浪費させてまで二川ルートにしなければならない納得できる理由があるのでしょうか。
5つ目は住民のメリットは少なく、企業のメリットが大きいということです。この道路は産業道路であり、産業集積地を繋ぐものだと理解しています。ですが、その道路を作ったところで血税を払う住民は特に使用しないと考えられます。産業道路ですから使用するのは主に企業ではないでしょうか。8/4の説明会において「豊橋・三河湾地域と新城・設楽地域や西北遠地域等の観光地との相互アクセス性が向上し、観光周遊がしやすくなる」とおっしゃっていましたが、その地域を繋げたところで3000~3600億ほどの予算を使ったことに見合う収益は得られるとは全く考えられません。住民の利益は特にないため絞り出して言ったように見えてなりません。
6つ目はそもそも住民の理解も確認も得られていないということです。道路を作るのならその土地に住んでいる人に知らせなければなりません。しかし私が友人や近所の方に道路のことを伺っても知っている方は一割未満でした。
また住民アンケートを一応されていましたが、最初から二川ルートにしたいがために、二川ルートにする口実を作るための誘導尋問のような内容で、またアンケートをした国交省側が住民に「とてもそう思う」と言わせたいことが丸見えであるかのような内容でした。そして最終的に誘導通りになったアンケートの結果を利用して、あたかも住民の意見を反映したかのように二川ルートが優位だと公表しました。このような恣意的なアンケートで住民の意見を反映したと本当に言えるのでしょうか。
そもそもメリットとデメリットの双方を最初に提示したうえで道路を作るかどうかでアンケートをとるべきではないのでしょうか。住民が1番道路建設に関わるので正しい情報の下、住民の意見を確実に反映すべきです。道路の建設に住民の意見を最初から反映する気がないように思えます。
また、8/4の説明会ではあたかも住民の賛成が取れたとでもいうように住民アンケートはした、とおっしゃっていましたが、実際の回答率は27%ととても少ないものでした。これでは住民の意見を得られたとは言えないのではないでしょうか。
また、誘導尋問的なアンケートであった上に、公的に住民が二川ルートを選んだこともありません。住民の理解という重要な項目を、住民アンケートをしたという理由で果たしたかのように8/4の説明会でおっしゃっていましたが、このようなアンケートでは住民の意見は何も取り入れていないことが分かります。
このようにデメリットが多くある二川ルートを、3600億かけるに値する利益が住民に得られるとは思えません。実際に道路を作ったとして確実に大金をかけてまで得られるメリットはあるのでしょうか。説明会に出席していても、なけなしのメリットだけを言っているだけで、実際にあるデメリットについては何も言及していないように思えます。道路建設に密に関わるのは住民です。その住民に対してメリットだけを提示して道路を建設するのは常識に反しています。
これらの理由から二川ルートに産業道路を作ることにあらゆる観点から反対します。