浜松湖西豊橋道路　経緯と不明点

2022年8月30日作成

1983年	三遠南信道路構想（約40年前）
2008〜2012年	国土交通省と愛知・静岡・浜松が5年かけて調査し、愛知県道路建設課が「東名三ヶ日JCTから湖西市内弓張山地東側山裾を通り国道23号バイパス県境付近に接続するルートが最適」と報告
2013年	建設促進期成同盟会、国交省へ地域発案の構想道路を初めて要望（7月31日）
2015年	建設促進期成同盟会、大村愛知県知事を初訪問（8月12日）
2018年	第一回計画段階評価（12月18日）
2020年	第二回計画段階評価　3つのルート案公表（7月3日） 防災減災国土強靭化5カ年計画（15兆円規模）閣議決定（12月11日） 国道23号拡幅区間の4車線化はこの予算を活用することが決定されたが、予算規模は縮小されなかった。浜松湖西豊橋道路23号ルート案ではその拡幅計画が「一部拡幅」から、「6ないし8車線化」に変更された。
2021年	豊橋健康の道二川里山・森林浴コース廃止決定（10月） 第三回計画段階評価　二川ルート案を承認（11月24日）
2022年	浜松湖西豊橋道路が「重要物流道路」に指定される(4月）

浜松湖西豊橋道路について聞きたいことがあれば誰でも、国土交通省中部地方整備局名四国道事務所計画課HPの「道の相談室」宛に問い合わせメールを送って聞くことができる。国交省中部地方整備局のHPにある計画段階評価や、この道路計画を推進している「浜松湖西豊橋道路建設促進期成同盟会（会長＝豊橋商工会議所会頭）」のHPなどを読み、「道の相談室」へ問い合わせメールを送り、やりとりを行った。名四国道事務所からは、最終的にいつも 『  浜松湖西豊橋道路については、計画段階評価の手続きで実施した地域の皆さまへの意見聴取の結果を踏まえた、ルート帯案を考える際に重要とされた事項（速達性・定時制の向上による物流支援、災害時における円滑な救援活動及び支援物資輸送・広域道路ネットワークの構築による地域間物流の促進、市街地部における安全な走行環境の確保、生活環境への影響）に基づく比較・評価を行い、自治体への意見聴取、有識者会議の審議結果を踏まえ、対応方針を決定しています  』

 という返答が返って来る。

　未だこの道路について知らない二川地域住民が多いために、国土交通省と豊橋市道路建設課に住民説明会を開いてほしいと依頼したが、「説明会参加は、公平性に欠けることや、公表されていることをお話するだけとなるため対応はできかねます」と断られた。

名四国道事務所への主な質問

• ルート比較表ではルート延長が5kmしか違わないのに時間が8分も違うのはなぜか。
• 環境アセスメントの配慮書の公開が終了しているが、見ることは出来るか。
• 二川ルート案に決まった時の第三回計画段階評価の有識者会議の議事録があれば見たい。
• 二川ルート案に決めて有識者会議に持っていったのは誰か。
• 二川ルート案に決定した後に出された環境配慮書には、3つのルートのうち二川ルートが環境や住民へのへの影響が最も大きいとなっているが、計画見直しはしないのか。
• 23号拡幅ルート案の拡幅部分は、2020年（12月11日）に閣議決定された「防災減災国土強靭化5カ年計画」の予算（15兆円規模）も活用してすでに工事を進めているという返事をもらったが、それならば23号拡幅部分については工事費を2重に計上する必要はないため、ルート比較表よりもはるかに安価に工事できるということではないか。
• 将来2本の高規格道路をメンテナンスしていくより、既にある23号拡幅ルート1本を活かす案の方が維持費が安くすみ、将来の負担が減るのではないか。
• 2021年11月に二川ルート案に決定した後で有料道路になるかもしれないという話を聞いたが有料道路となれば思ったより立岩街道の朝夕の渋滞解消に繋がらないのではないか。
• 立岩街道の朝夕の渋滞は、岩屋下の交差点を立体交差にすることで幹線道路工事として早期に解消してほしい。

対応方針決定の元となったルート帯案比較検討表では、速達性の部分をいくつもの目標に分けて「重視すべき事項」とし、環境への配慮の多くは重視すべき事項枠から外している。

項目の中身に実質それほど大した差がなくても「優位な事項」として二川ルートを枠で囲んでおり、地域住民の総合的な意向とは重み付けの異なる観点でルート選定がなされた。

また、第3回計画で「現道への影響」という項目が新設されたが、それならば「将来のメンテナンスの負担」項目をはじめさまざまな環境への影響の項目も新設してほしかった。

「住民アンケート」は、最初から二川ルートありきの恣意性のあるアンケートだったように思える。

行政は住民への説明が不十分なまま計画を進めようとしていて、住民として納得できない。